第1に、全ての主要排出国の参加を促すため、各国が主体的に削減目標を設定できる仕組みとすることが重要であり、目標の法的位置付けについても、柔軟性を確保していかなければならない。京都議定書のような、トップダウンかつ法的拘束力の強い枠組みでは、全ての主要排出国が合意に至ることは困難であり、これを無理に追求すれば、各国の削減行動に長期の空白を生むことになりかねない。
第2に、実効性・公平性を担保するため、各国の取り組みを国連の場でレビューする仕組みが必要である。その際、特定の年からの削減の多寡のみならず、セクター別のエネルギー効率や、経済的に利用可能な最善の技術の導入状況、削減に必要となるコストなど、多角的な観点からレビューを行うべきである。
◆経済界の主体的な取り組み
日本の経済界は、これまでも国内における排出削減に最大限に取り組んできた。経団連は1997年から「環境自主行動計画」に取り組み、全61業種が参加してきた。
このうち産業部門(製造業)とエネルギー転換部門(電気・石油・ガス)の34業種については、2008年度から12年度の5年間の平均二酸化炭素(CO2)排出量を、「1990年度の水準以下に抑える」との統一目標を掲げ、削減努力を行ってきた。その結果、「90年度比12.1%減」と、目標を大幅に超える削減を実現し、大きな成果を挙げた。