2016年度の介護福祉士候補生を目指す日本語コースの生徒と高橋彩子教諭(右端)=インドネシア西ジャワ州のチルボン看護大学【拡大】
経済連携協定(EPA)に基づき、日本が2008年度に看護師と介護福祉士の候補生をインドネシアから受け入れ始めてから、今年で8年目に入った。このうち介護福祉士の候補生は14年度までに累計754人が日本を訪れ、全国の老人ホームなど約190施設で働きながら研修を重ねてきた。当初は低かった国家試験の合格率も日本人を含めた全体の平均を上回るほどに上昇し、日本で仕事を続ける定着者も増えている。一方で試験に合格しても帰国してしまうケースも多く、働きやすい環境の整備など課題は少なくない。
◆日本語教育盛ん
首都ジャカルタの日本大使公邸で6月10日、EPAで日本に派遣される第8期候補生278人の壮行会が開かれた。内訳は看護師66人、介護福祉士212人。両国が増員を希望したこともあり、昨年より91人増えた。第7期までの累計で、候補生は看護師と介護福祉士を合わせて1235人に上っている。
看護師で最大3年、介護福祉士で同4年の在留期間後も日本で働き続けるには、日本語で出題される国家試験に合格しないといけない。最大の難関は日本語の習得で、4期生からは渡航前の半年間、泊まり込みで日本語の研修に臨んだ上で派遣されている。候補生代表のインドラワンさん(25)は「まだ6カ月の日本語研修が日本でもある。助け合って頑張ろう」と、日本語で仲間に呼びかけた。
研修を支援する国際交流基金によると、今年は日本人駐在員の家族らもボランティアで日本語の指導に参加した。「候補生が増え、日本語教師の不足が一層深刻になる」と関係者が懸念するほどの人気ぶりだ。