出光興産が30日、昭和シェル石油の買収を決めたのは、ガソリンや灯油といった石油製品の国内需要が頭打ちの中、経営規模の拡大で生き残りを図るためだ。今後は業界3位の東燃ゼネラル石油と4位のコスモ石油の動向が焦点となるが、さらなる業界再編は不可避の状況だ。
出光による昭和シェルの買収交渉が、新聞報道で明らかになった昨年12月末。昭和シェルの特約店からは「まさか出光の子会社になるのか?」といった強い反発が上がった。
創業者の出光佐三氏が貫いた家族色の強い経営理念が色濃く残る出光に対し、ロイヤル・ダッチ・シェルが筆頭株主の昭和シェルは外資系。企業風土の違いから特約店に不安が広がり、提携交渉の障害となった。
長引く交渉に微妙な変化がみられたのは、今年3月末。昭和シェルの社長に亀岡剛氏が就任してからだ。亀岡氏は特約店に対し「出光の子会社になることはない。対等な立場だ」と粘り強く説得を続けた。亀岡氏の社長就任で「一段の信頼感を持って進められた」(出光の月岡隆社長)と、交渉が進展する。