原油市況低迷でリストラを進めるロイヤル・ダッチ・シェルが、出光への株売却に前向きだったことも交渉を後押しした。
もともと両社にとって、他社との経営統合は「待ったなし」の課題だった。
経済産業省は供給過剰解消のため、石油元売りに原油処理能力を1割程度削減することを求めている。だが、単独で生産量を減らせばコストが膨らむ。
海外事業の強化にも弾みがつく。出光はベトナムに、日本の石油元売りで初めて海外での製油所を建設中。昭和シェルも筆頭株主のロイヤル・ダッチ・シェルとの兼ね合いから独自の海外展開が難しかったが、出光が買収すれば自由度が増す。
課題は、異なる企業文化をいかに融合できるかだ。当面、両社のブランドは維持されるが、特約店の不安が完全にぬぐいきれたとは言い難い。両社が所有する製油所は地域的に重複しておらず、統廃合をめぐっては曲折も予想される。
業界は出光・昭和シェル連合と、JX日鉱日石エネルギーとの2強時代に突入する。