記者会見の冒頭、組織的な利益水増しについて頭を下げて謝罪する東芝の田中久雄社長(当時)ら=7月21日、東京都港区【拡大】
第三者委は今回の調査の過程で、監査法人の責任追及についても検討していた節がある。だが、最終的に報告書は、東芝側に「意図的な説明不十分」があったなどとして、監査法人への責任には言及しなかった。いわば、非はだました東芝側にあるというものだ。これでは監査法人の名が泣く。プロの世界で通用する論理とは思えない。
輸出企業中心に懸念
日本の大手企業による巨額不正会計が後を絶たない中で、心配されるのは「日本異質論」の再燃である。社会や文化を含めた日本の異質性、特殊性をことさらに強調することで、日本は欧米社会など他の先進国には理解不能な価値観や基準で動く異質な国とする考え方だ。
経済界からも、輸出企業を中心として、早くも懸念の声が聞かれる。ホンダの池史彦会長は「(海外投資家などから)日本の企業全てがこうした不適切会計をしていると思われるのではないか」と述べている。
麻生太郎財務・金融担当相も、日本の株式市場への悪影響を懸念している。
東芝の不正がもたらした負の波紋はさらに拡大する可能性がある。