江戸末期の蔵を移動、再生 中央住宅の分譲住宅「ことのは 越ヶ谷」

2015.8.10 05:17

「ことのは越ヶ谷」の蔵の部分

「ことのは越ヶ谷」の蔵の部分【拡大】

 ポラスグループの中央住宅(埼玉県越谷市)は、蔵と新築の4邸で構成される分譲住宅地「ことのは 越ヶ谷」を開発、2016年1月から販売する。

 江戸末期に建てられた蔵のうち状態のよい1つを保存。曳家(ひきや)で移動して再生した。曳家や補修に計約6000万円をかけた。

 蔵は本来、白しっくいの壁だったが戦時中に空襲を逃れるため外壁を黒くしていた。今回の再生では白しっくい壁で補修し、有形文化財として登録する予定。蔵と敷地は15年度中に越谷市に寄贈し、地域の情報発信拠点や街のコミュニティーの場として運用される見通しだ。

 他の蔵に使われていた部材は、新築住宅の内装材に再利用した。例えば構造材は化粧柱に転用し空間のアクセントとして活用。調湿効果があり蔵の保管物を守り続けてきた壁材はそのままモチーフとして使う。敷石や灯籠は、蔵へのアプローチや住宅の外構材にする。

 建物は蔵との調和を図るため大谷石調のALC(軽量気泡コンクリート)を採用し、情緒あふれる演出を施す。また、職人の手仕事を生かした塗り壁を取り入れた。分譲住宅の販売予定価格は未定。

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