■上値追うには役員報酬より平均給与増額
米証券取引委員会(SEC)が今月初め、上場企業に最高経営責任者(CEO)の報酬と、一般従業員の平均的給与との格差・比率を開示させる新しい規則を承認した。米国ではかねてCEOが巨額の報酬を手にするため、大きな利益を期待できる代わりに、過度にリスクが大きいビジネスに手を出しがちだったという。目先の利益を追求するため、減益要因となる設備投資、研究開発、人材育成といった将来の利益を生む源泉である長期的な視点に立った施策を先送りしがちだったともいう。SECの新規制の承認は米国の経済界にはびこるCEOの強欲主義、短視眼的な経営に対する警鐘ともいえる。
米国の調査機関などの調べによると、CEOと一般従業員の平均的給与の格差は2005年前後に400倍近くに拡大、直近では300倍前後という。東京商工リサーチが調べた日本の主要上場企業100社の経営トップの役員報酬と、一般従業員の平均的給与の格差は15年3月期で28倍強だった。同じ東京商工リサーチの調査結果だが、15年3月期に1億円以上の報酬を得た上場企業の役員は全国で211社、延べ411人に上ったという。