液晶事業の27年4~6月期の営業損益は137億円の赤字を計上。経営再建を牽引(けんいん)してきたスマホ向け中小型液晶パネルに中国市場の成長鈍化が直撃して販売が大きく減少。高橋社長は幹部会議で「液晶さえなければ…」と口走ったといわれる。さらに7月以降の事業環境が厳しくなると想定し、9月までスマホ向けパネルの生産調整が続くことも明らかにした。
そこで高橋社長は「(中計を発表した)5月の考え方ではしんどい。いろんな可能性について広い範囲で対応を考える」と述べ、液晶事業の社外分社化を検討すると表明した。
ドタキャンの果て
そもそも液晶事業の社外分社化はシャープの経営危機が再燃し、主力取引銀行のみずほ、三菱東京UFJ両行と再建策を協議するなかで浮上した。競争が激化する液晶事業で勝ち抜くためには、技術開発や設備投資に巨額の投資を続けなければならないが、いまのシャープには継続的な投資余力は乏しい。