このため液晶事業の財務基盤を強化し、外部からの資金調達もしやすい環境を整える手法として社外分社化が検討され、主力取引銀行がシャープの求める資本支援に踏み切る前提と位置付け協議していた。
5月14日に発表した中期経営計画では、液晶を含めた7事業を5つの社内カンパニーに再編することが柱と位置付けられたが、液晶事業については「将来の分社化を視野に」と発表することで主力取引銀行とも合意していた。ところが、シャープ側が発表直前にこの部分を削除した。
関係者によると主力取引銀行側は「支援の前提が崩れた」と強い不満を示したが、高橋社長は会見で「売上高全体の3分の1を占める液晶をなくしたら中期経営計画(の業績)が成り立たない。社外分社の考えは全くない」と言い切ったのだが…。
柔軟対応?
シャープは10月に社内カンパニー制に移行することを見据え、ガバナンス(企業統治)を強化するため本社が事業を統括する方式に組織を再編し、会見では、高橋社長は「営業との議論が深くなり、市場の変化をつかまえてきている。前の体制のままだとまだ焦ってもいない」と手応えを口にした。