生保各社には、海外から複数の買収案件が持ち込まれており、重複した案件もあったもようだ。明治安田は、「団体生命保険分野に軸足を置き着実な成長を遂げてきた」(殿岡裕章副社長)という米スタンコープ・ファイナンシャルグループの買収を決めた。住友生命は、幅広い保険商品を扱う米シメトラ・ファイナンシャルの安定的な成長を評価し、買収に踏み切った。
両社が米国の生保を買収するのには理由がある。生保各社は、これまで東南アジアなどの生保に出資してきたが、「今後の高い成長が期待できる半面、収益の大半は再投資が求められるなど、収益貢献には一定期間が必要」(住友生命関係者)な状況だ。
アジアから転換
一方、米国は世界最大市場ながら人口増が続くことや、投資初年度から安定した収益貢献がある。「米国での買収は、今後のグローバルな視点を持つ人材を育てる絶好のチャンス」(明治安田の荒谷雅夫常務執行役員)とも捉える。