ただ、「買収金額がつり上がった」(証券関係者)のも事実だ。明治安田の買収費用は6246億円、住友生命は4666億円と決して安い金額とはいえず、業界関係者からは「高値づかみではないか」と揶揄(やゆ)する声も上がる。
特に明治安田は、買収発表直前1カ月の平均株価に5割上乗せした1株当たり115ドルでスタンコープの全株式を取得する。3割台の上乗せが主流の中、証券会社からも「あり得ない(価格)」との声が上がったほどだ。
円安で買収額が膨らんだ面はあるが、今より円高だった2、3年前は各社とも東日本大震災やリーマン・ショックの対応に四苦八苦。逆ざやの解消が優先でM&Aに手が回らなかった。
こうした批判に対し、住友生命のある幹部は「買収金額が高いのか、低いのかは、5年後の会社の状況をみれば分かるはずだ」と力を込めた。