黒田電気株主総会 「賛成40%」無視できぬ経営陣 好業績に比べ株価低迷…会社側にすきも

2015.8.21 20:32

黒田電気臨時株主総会で株主提案を否決され、会場を出るC&Iホールディングスの村上絢・最高経営責任者=21日午後、大阪市淀川区(牛島要平撮影)

黒田電気臨時株主総会で株主提案を否決され、会場を出るC&Iホールディングスの村上絢・最高経営責任者=21日午後、大阪市淀川区(牛島要平撮影)【拡大】

 村上世彰(よしあき)氏ら4人を社外取締役に選任する株主提案が否決され、黒田電気の経営陣は胸をなで下ろした。ただ、村上氏らは「利益の100%株主還元」などを掲げ、議決権で40%の賛成を得た。今後、経営陣はこれまで以上に株主利益を重視した経営を迫られる。

 「配当できる利益があるならやってもらわないといけない。村上さんは株主にとって救世主だ」

 大阪府池田市の男性株主(76)はこう言って、村上氏らの提案を歓迎した。

 黒田電気は平成27年3月期決算で2期連続の最高益を達成するなど好業績を挙げている。

 村上氏側から株主提案を受けた直後の7月10日、黒田電気は28年3月期から配当性向を40~65%とすると発表した。27年3月期の19・0%から大幅に引き上げた形だ。同社幹部は「配当の見直しは昨年から検討していたもので、株主提案があったからではない」と説明する。

 しかし、村上氏側は黒田電気の対応を「付け焼き刃的」と批判した。村上氏らの提案という“プレッシャー”がなければ、配当性向の拡大は実現しなかった、との印象を株主に与えた可能性がある。

 さらに、村上氏側は「(業績に比べ)株価が低迷している。24年12月の新株予約権付社債(CB)の発行で株式価値が希薄化した。ファイナンスを理解していない」などと、あらゆる角度から経営陣を批判している。

 松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「提案に賛成した40%は短期的利益を期待したのだろう。こうした支持を背景に、C&I側はしばらく経営陣に要求を続けていくのではないか」と指摘した。

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