黒田電気の臨時株主総会の会場に入る株主ら=21日午前、大阪市淀川区の同社大阪本店【拡大】
村上世彰(よしあき)氏ら4人を社外取締役に選任する株主提案が否決され、黒田電気の経営陣は胸をなで下ろした。ただ、村上氏らは「利益の100%株主還元」などを掲げ、議決権で40%の賛成を得た。今後、経営陣はこれまで以上に株主利益を重視した経営を迫られる。
「配当できる利益があるならやってもらわないといけない。村上さんは株主にとって救世主だ」
大阪府池田市の男性株主(76)はこう言って、村上氏らの提案を歓迎した。
黒田電気は2015年3月期決算で2期連続の最高益を達成するなど好業績を挙げている。
村上氏側から株主提案を受けた直後の7月10日、黒田電気は16年3月期から配当性向を40~65%とすると発表した。15年3月期の19.0%から大幅に引き上げた形だ。同社幹部は「配当の見直しは昨年から検討していたもので、株主提案があったからではない」と説明する。