日本の町工場が映画に込めた未来図 「未来シャッター」が好評 (2/4ページ)

2015.9.2 06:40

映画「未来シャッター」のスタッフと出演者たち=6月、東京都大田区

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  • 映画の監督を務めたワップフィルムの高橋和勧理事長

 映画には下町ボブスレーに加え、全国の中小メーカーなどが自らが持つ製造技術を注ぎ込んだコマを戦わせる大会「全日本製造業コマ大戦」、下町の技術力を結集した深海探索艇「江戸っ子1号」の仕掛け人が登場する。この3つのプロジェクトは町工場同士の緊密な連携が原動力となっており、仕掛け人は映画の中で地域とのつながりの必要性を訴え、主人公と関わっていく。

 「周囲と連携しながら取り組んでいかないとシャッターは上がらないし、イノベーション(革新)も起きない。そんな意味を込めて製作した」と、この映画の監督を務めたワップフィルムの高橋和勧(かずゆき)理事長は語る。

 ワップフィルムの名称には「日本の文化でもある『和』を映画でアップさせよう」との意味が込められている。その方針に基づき、映画の製作過程でも和の精神が大きく役に立った。その一つがロケ現場の設定だ。

 日本の玄関口である羽田空港や、空港と都心を結ぶ東京モノレールのロケでは特別の配慮を受けた。羽田空港国際線旅客ターミナルの場合、テレビ報道などの映像撮影は一部のエリアに限られているが、未来シャッターのロケでは主要部の使用が認められた。また近未来の設定に合うように、撮影時には最新タイプのモノレールが通常の何倍もの頻度で運行された。

「交通機関の交渉は難しく、なかなか対応してくれない」ものの…

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