高橋氏によると「交通機関の交渉は難しく、なかなか対応してくれない」ものの、人と人との縁で実現したという。
出演者も「和」と呼べるネットワークを生かして決まった。その中心人物が、マシニング加工や材料販売を手掛けるマテリアル(同区)の細貝淳一社長。下町ボブスレープロジェクトで重要な役割を果たしており、映画では商店街の会長役を演じた。
世界で戦うために
細貝氏は二十数年前に現在の会社を立ち上げた。丁寧な仕事と高度な技術で業績を順調に伸ばし、年商は10億円に迫ろうとしている。「設立当初から地域の人が支え、助けてくれた。連携することの重要性が身につき、恩に応えていった」(細貝氏)ことが、好業績の背景にある。その経験を映画を通じて伝えたいといった思いから、幅広いネットワークを駆使した支援を惜しまなかった。
細貝氏が持つ人脈の一人が、浜野製作所(同墨田区)の浜野慶一社長。板金加工分野で高度な技術力を備え、江戸っ子1号のプロジェクトでは推進役を担った。映画では講義に立つシーンに登場し、連携することの重要性を伝えている。このプロジェクトに関わった東京東信用金庫の渋谷哲一理事長も出演している。