全日本製造業コマ大戦協会の緑川賢司会長も、映画で重要な役柄を演じた。木型やモックアップの製造を手掛けるミナロ(横浜市金沢区)の社長を務める緑川氏は、かつて役者を目指し、現在も舞台に立つこともあり、ずぶの素人とはひと味違った演技力を見せた。
自転車とキックスケーターの中間のような「nbike(エヌバイク)」を近隣の町工場とともに開発したナイトペイジャー(大田区)の横田信一郎社長も出演した。横田氏は下町ボブスレーの中枢メンバーだ。
映画製作の資金提供などには50以上の企業が携わっているが、こうした和の効果は計り知れず、金額には換算できない。
円安・ドル高効果で大企業の業績は急速に回復したものの、中小企業はすぐには円安効果を享受できず、経営環境は依然厳しい。細貝氏は「世界市場で戦うためにも、町工場が連携し合って大田区が一つとなり、『大田区株式会社』を作ることが重要だ」と強調する。
連携を基に競争力を高める手法は大田区に限らず、中小企業が集積する地域にとっては生き残りに向けて取り組むべきテーマの一つだ。未来シャッターに出演した経営者のせりふには、中小企業同士の連携を生かすヒントがちりばめられている。(伊藤俊祐)