個々の出版社では難しかった海賊版対策の活動も、何社かでまとまって行うことで大きな力となり、成果に結びつけやすくなります。アニメイトでも、タイの店で会員となった人に、海賊版を見ない、買わないといった宣言に同意してもらう活動を繰り広げ、本物を愛する気持ちを盛り上げて、心理面から海賊版を減らす活動を行うそうです。
現地でどういったマンガやアニメが好まれているかを調べるリサーチ活動も行います。現地で日本の作品に触れた人が、作品に登場する場所として日本に興味を持ってくれるようなインバウンド(訪日観光客誘致)の拠点も作っていく予定です。
計画ではまずはタイでの活動に力を注ぎ、どういった傾向があるかを分析しながら、活動の幅を広げて他の国へと展開していくそうです。そのタイですが、設立に参画したKADOKAWA、講談社、集英社、小学館がタイで展開している出版事業の実績から、マンガの市場は50億円から65億円規模になっていると推計されます。
海賊版の市場が2倍はあると見るなら、潜在的な市場規模は150億円から190億円に達します。それらをすべて正規の品へと変え、さらにコンテンツの幅を広げていくことによって、マンガに限らずアニメのソフトやフィギュア、グッズといった分野へも展開していけます。最初にオープンするタイのアニメイトでの事業展開と、それを支えるジャパン マンガ アライアンスの活動は、その後のアジアや世界各地における日本のマンガ展開に、大きな意味を持ちそうです。
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