早ければ年内にも解除される対イラン制裁をにらみ各国で投資強化を目指す動きが活発化=8月27日、スイスで開かれた会合(ロイター)【拡大】
イランとの投資協定交渉を受け、日本の石油業界では、原油の輸入拡大や調達先の多様化に期待が高まっている。イランはかつて原油輸入先として重要な地位を占めていただけに、新たな投資機会につながる可能性もある。ただ、足元の原油価格は低迷しているため、イランでの石油開発には慎重な見方もある。
投資協定交渉に先駆け、水面下ではイランから日系企業への接触が始まっている。大手石油元売りの首脳は「無作為に配られる“チラシ”のレベルで、イラン側から原油の売り込みがある」と打ち明ける。
イランは平成17年度に日本の原油輸入量の13%を担っていたが、経済制裁の影響で取引が減少し、26年度には5%程度まで低下した。再び輸入量が拡大し、ガソリンや灯油の値下がりにつながれば消費者にとってはプラスになる。
イランは石油埋蔵量で世界4位前後とみられ、経済制裁が続いたため、開発の余地が大きいとされる。日系の資源開発企業は、イランについて「埋蔵量が大きく、開発コストも低いため、魅力的だ」と、評価する。
だが、昨夏まで1バレル=100ドルを超えていた米国の原油先物価格は、中国経済の減速や米国のシェールオイルの増産などを受け、足元では半値以下の40ドル台に低迷している。このため、イラン原油の輸入拡大や開発については「市況を見極めながら、採算を慎重に判断する」(石油元売り幹部)との声が多い。
(大柳聡庸)