こうしたなかで、FSSは神戸とすでに営業している首都圏の店舗を含め、27年度中に5店程度に広げる計画だ。さらにFSSに加え、食品を中心に扱う都市型スーパーへの転換も進める。
食品への特化という専門性の高い店舗を展開することにより、「販売手法に限界がきている」(業界関係者)という従来型の総合スーパー(GMS)から脱却したい考えだ。
ただ、食品に重点を置くのはライバルも同じ。イトーヨーカ堂やユニーなどは食品売り場の面積を増やして、鮮度にこだわった食材を充実させている。
カギとなってくるのが、ダイエーが長年にわたって作り上げた、生産、加工、販売を一貫して手がけるバリューチェーン(事業価値の連鎖)だ。これを最大限に活用することで「他社との差別化につなげる」(ダイエー幹部)としている。