このため7月以降は、高級セダン「パサート」の新型車や、主力車「ゴルフ」のプラグインハイブリッド車(PHV)を相次いで発売。巻き返しを期すつもりだったが、今回の問題で出はなをくじかれた恐れもある。
米環境保護局(EPA)によると、VWグループは08年以降に米国内で販売したディーゼルエンジンの乗用車約48万台に違法ソフトを搭載し、大気浄化法違反の疑いがある。違法ソフトは「試験」状態を検知すると、排ガス浄化機能がフル稼働して基準を満たすが、実際の走行時には同機能が大幅に低下する仕組みになっている。不正対象車が実際に走行した際の窒素酸化物(NOx)の量は基準の最大40倍になるという。
米メディアによると、米国がNOx基準を厳しく設定する中、VWはこの基準を守ると燃費性能が低下してライバル車よりも見劣りするのを嫌気し、不正に手を染めたとみられている。