不正問題の影響は世界に広がっている。VWグループにアウディ、ポルシェなど10を超えるブランドを持つが、ブランドイメージの失墜からこれらブランドの世界販売に影響が及ぶ可能性もある。
また、米メディアによると、本国のドイツではメルケル首相が事態の徹底究明を求め、フランスやイタリア、韓国の当局もVWへの調査に着手。米司法省も刑事責任を問う可能性を含めて調査を始めた。
米国では所有者らの訴訟が起きており、「VWはより長期にわたって一段と多額の費用支出を迫られる」(在米自動車ジャーナリスト)との見方が多い。訴訟の行方次第では、収益を長期間圧迫しかねない。
VWは世界販売台数で15年上期にトヨタ自動車を抜いて初めて首位に立った。通年でも首位を狙っているが、道が遠のいたと言わざるを得ない。今回の問題でVWの先行きは見えなくなった。