自動運転で高速道路への合流もできるトヨタ自動車の実験車=6日、東京都江東区有明のTFTホール(会田聡撮影)【拡大】
トヨタ自動車が6日に実用化の方針を明らかにした自動運転車は他の自動車メーカーも2016年以降に相次いで投入する計画を打ち出している。安全性の向上や渋滞緩和だけでなく、新たな移動手段となる可能性もあり、普及が期待される。(田村龍彦)
日産自動車は16年に渋滞時の高速を、20年に混雑した市街地を走行できる技術を搭載した車両を投入する方針だ。海外勢でも独アウディが17年に渋滞時の高速を走行する自動運転車を市販する。
情報処理などを得意とする米グーグルなどIT企業も公道試験に乗り出している。
自動運転では交通状況を把握して最適な判断を下す人工知能(AI)や、車両の位置を確認する高精度な地図ソフトが欠かせない。トヨタはAIの研究を強化するため米マサチューセッツ工科大などと協力。アウディやBMWなどドイツ勢は共同でフィンランドのノキアのデジタル地図事業を買収することを決めた。
乗り越えるべき課題もある。どんな環境でも正常に作動する精度に加え、車のハッキング対策などセキュリティー強化は不可欠だ。現在は事故が起きた場合は運転手の責任になるが、完全な無人運転が実現すれば法整備なども必要になる。
ただ、自動運転車の可能性は大きい。居眠りなど人間のミスによる事故の防止や渋滞緩和のほか、高齢者の新たな移動手段としても利用できる。AI技術は車だけでなく、ロボット産業への活用も考えられる。
このため、政府も国家戦略特区プロジェクトとして神奈川県で自動運転タクシーの実証実験に乗り出し、今月4日には安倍晋三首相が東京五輪までの自動運転車の実用化を表明した。官民一体の開発は日本の産業競争力強化にもつながる。