国内空港は海外に比べ、医薬品専用の定温倉庫の整備が遅れているとされる。ただ、医薬業界では流通の際の温度管理を厳しくしようとする流れにあり、新関空会社担当者は「国内の他の空港より施設が充実している関空が選ばれるようになれば」と期待する。実際に医薬品の需要増も後押しして、26年の関空の医薬品の輸入額は約6700億円と、この10年間で2倍超になっている。
このほか、昨春には世界最大手の航空貨物会社、フェデラルエクスプレス(フェデックス)の誘致に成功した。アジアと米国を行き来する同社の北太平洋地区のハブ(中継)施設として稼働している。拠点化によって、フェデックスの関空での国際貨物は25年冬期の週43便から27年夏期には週51便まで増加した。国際貨物の中継取り扱い量も26年度は前年度比71%増の16・1万トンまで伸長した。
国は、農林水産物や食品の輸出額について、26年の約6100億円から32年までに1兆円規模に拡大する目標を掲げており、関空からの輸出額も増加が見込まれている。25年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、世界的な日本食ブームもあるほか、医薬品も新興国を中心に需要が増えている。右肩上がりの需要の取り込みで、関空の貨物事業はまだまだ“伸びしろ”がありそうだ。