日仏首脳会談に臨むバルス首相(左)と安倍晋三首相=5日、首相官邸【拡大】
仏電力公社(EDF)が再建に乗り出し、アレバの100%子会社で、赤字の元凶である原子炉製造のアレバNPへ51~75%を出資、アレバ本体は25%の持ち分にとどまる枠組みが固まっている。つまり、外国企業へは最大24%を割り振る計画だが、その出資額は900億円近い。仮に三菱重工がそれだけの投資をしても、赤字のアレバNPからは配当も持ち分利益も望めない。期待されるのは、アトメア1の新興国向け開拓を共同展開することだが、ある電力関係者はこう指摘する。
「EDFは三菱重工と中国企業に出資を競わせる腹積もりだろうが、24%を日中で折半したのではアレバの中国傾斜の流れは止められない」
中国に3社ある原子炉製造会社のうち、EDFが秋波を送っているのは中国広核集団(CGN)と中国核工業集団(CNNC)の2社。とりわけアレバNPと親密なCGNは、長く技術支援を受けてきた経緯があり、現在もEPR2基を建設中だ。30年までに100基近い原発建設を目指す中国市場の開拓は、アレバにとって再建策の柱であり、中国2社は三菱重工より提携の優先順位は高い。
そのCGNとCNNCが共同開発した中型炉「華龍1号」こそ、フランス技術を源流としており、しかも、アトメア1と正面から競合する。つまり、三菱重工はアレバNPに出資してもアトメア1の世界展開は進まず、むしろ日仏中連合を通じて原子炉のパッシブ制御などの国産技術が中国2社へ流れる恐れがあるのだ。しかし…。