【電力考】三菱重工、アレバ出資に潜む中国リスク 山崎康志・ジャーナリスト (3/3ページ)

2015.10.19 05:00

日仏首脳会談に臨むバルス首相(左)と安倍晋三首相=5日、首相官邸

日仏首脳会談に臨むバルス首相(左)と安倍晋三首相=5日、首相官邸【拡大】

 ◆利用するか、されるか

 損して得取れ-。三菱重工に求められているのは、原子力事業の長期戦略だろう。三菱重工がアレバと提携したのは本来、米ウェスチングハウス(WH)を買収した東芝に対抗するためだった。その東芝はWHの中型炉を採用した中国のもう1社の原子炉製造会社、国家電力投資集団(SPI)に急接近している。三つどもえの暗闘が続く中国の原子炉製造3社のうち、アレバを介してCGN、CNNCへ技術支援の恩を売れば、中国を含むアジア新興国の原発建設を獲得できる可能性がある。

 とはいえ、バルス首相は三菱重工に対し、アレバNPだけでなくアレバ本体への出資も要請した。応じれば出資額はさらに膨らむ。前出の電力関係者はこう続けた。

 「おそらく三菱重工がアレバ本体へ投じるキャッシュは中国の核燃料サイクルの開発資金になるだろう」

 中国に利用されるか、逆手を取って利用するか、三菱重工の原子力事業は胆力を試されつつある。

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【プロフィル】山崎康志

 やまざき・やすし 日本工業新聞、外資系通信社記者を経て2001年独立。記者時代からエネルギー産業、IT産業、郵政事業、産業政策などを取材。著書に「電力・ガス業界大研究」(産学社)、構成に仙谷由人著「エネルギー・原子力大転換」(講談社)。1959年東京生まれ。

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