トヨタ自動車が26日発表した2015年1~9月期のグループ世界販売台数(日野自動車、ダイハツ工業含む)は前年同期比1.5%減の749万8000台で、独フォルクスワーゲン(VW)の743万1000台を上回った。トヨタは上期(1~6月)にVWに抜かれたが、7月以降は首位を奪還。VWは排ガス不正問題で失速が必至で、4年連続の年間トップが近づいている。
トヨタは北米販売が市場の好調やガソリン安による大型車の伸びを背景に4.0%増の202万8000台を記録。中国も小型車「レビン」などの販売が堅調に推移し、ロシアやインドネシアなど新興国の不振を吸収した。
一方、VWは収益源の中国が景気減速で5.2%減の257万8000台となったことが響き、世界全体でも1.5%減の前年割れとなった。さらに、9月18日に米国でディーゼル車の排ガス不正問題が発覚し、10月以降に販売への影響が本格化する見込みだ。
トヨタは8月の中国・天津の爆発事故による生産拠点への影響も収束。7月に首位奪還以降はVWとの差を徐々に広げ、12月には主力車「プリウス」を国内で投入する予定で、14年に続く1000万台超えも視野に入る。一方、3位の米ゼネラル・モーターズ(GM)の1~9月期の世界販売は715万1000台だった。