エディー・ジャパンの活躍が話題を集めたラグビーのワールドカップ2015年イングランド大会も今週末、31日(現地時間)の決勝を残すのみとなった。ニュージーランドの史上初の連覇か、オーストラリアがライバルを倒し4大会ぶりの世界一に輝くか、最後まで興味はつきない。
◆難しい入場料金設定
次は日本大会、19年9月6日の開幕戦キックオフまで4年を切った。注目度は確かに上がったが、開催計画の軌道修正に頭を抱える現実が横たわる。
とりわけ、開幕戦や決勝戦など7試合を予定していた新国立競技場建設の白紙撤回は、入場料収入のもくろみを狂わせた。
19年大会組織委員会は入場料収入を300億円と設定していた。だが、8万人収容の新国立競技場から開幕戦は5万人の東京スタジアム、決勝戦は7万2000人の横浜国際総合競技場に変更。少なくとも20億円は減少する見通しだ。
もとより300億円は高いハードルだった。20チームが出場する大会は48試合を行う。1試合3万人が入場するとしても1枚平均2万円以上の入場料金を設定しなければならない。
ラグビー強国ではなく同文化が定着した国でもない日本で、高い入場料金で多くの入場者を得られるかは疑問だ。現実味に乏しい目算だろう。200億円から260億円との見込みもある。
組織委員会は頭が痛い。大会運営費や施設費などに加え、国際統轄団体のワールド・ラグビー(WR)に9600万ポンド(約178億円)の大会供出金の上納が義務づけられている。一方で、収入の大半を入場料に頼らざるを得ない。勢い、当初予算460億円も下方修正を余儀なくされた。