やっとのことで出荷にこぎつけたが、当初は色合いが不評で返品の山だった。「これがハムといえるのか」「色が悪いソーセージだ」という顧客からの声に、社内にも不穏な空気が漂い始めた。それでも「やり始めたことはやり通す」という当時専務の久保忠夫会長(87)の決意のもと製造を継続した。世の食に対する安全志向の高まりとともに受け入れられるようになった。同シリーズの開発と製造を通して確立されたノウハウは今や同社の全ての製品に生かされている。
◆自然の中でつくる
近年、人口減少に伴って国内食品業界の競争は熾烈(しれつ)さを極めている。「日本ハム・ソーセージ工業協同組合」によると、2014年の食肉加工品生産数量は約53万6000トンで、ここ数年は微増している。一方、財務省の日本貿易統計によると、同年のハム・ソーセージ・ベーコン類の輸入量は5万6000トン。国内生産量の約1割ながら09年比で23%増えた。
また、13年10月に7年ぶりに国内で発生が確認された豚流行性下痢(PED)の影響で、加工品の原料となる国産豚肉の出荷量が減少し、卸売価格は高止まりしている。しかし中村課長は“信州発”のブランド力の強みをこうアピールする。
「きれいな水と澄んだ空気の自然の中でつくる商品の安心と安全に自信を持っている。若い世代や子供にも好まれる製品を生み出していきたい」(三宅真太郎)
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【会社概要】信州ハム
▽本社=長野県上田市下塩尻950
▽設立=1947年7月
▽資本金=1億円
▽従業員=409人(2015年6月期)
▽売上高=152億円(同)
▽事業内容=ハム・ソーセージの製造・販売と 総菜の販売。自社商品は500種を超え、全国 に出荷している