だが、業種別の経常利益の増減率をみると、景色は変わる。夏場に顕在化した中国経済の減速の影響で機械は12.1%減と、逆に2桁の落ち込みだ。日立建機は中国での不振が一因となり、16年3月期通期の業績予想の下方修正を余儀なくされた。
鉄鋼は20.1%減と、さらに中国減速の影響を色濃く受けている。新日鉄住金は通期の経常利益の予想を下方修正した。
売上高に占める中国の割合は約1割と決して高くはないが、生産過剰や内需低迷に苦しむ中国勢が東南アジアなどで安値攻勢をかけ、全体の鋼材価格が下落。そのあおりで同社の収益も低迷した。
日立製作所の中村豊明副社長も「(中国では)不動産投資が止まっており、16年1~3月期あたりにエレベーター事業にも影響が出てくる」と懸念を示した。