トヨタ自動車が、人工知能(AI)を研究・開発する新会社「トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)」を来年1月に設立する。AIを自動運転やロボットなど次世代の事業の技術基盤と位置付けて投資を拡大。産業の変化を見据え、従来のクルマづくりから新たな領域に踏み出す。(会田聡)
「トヨタがソフトウエア技術を融合した新たな企業に生まれ変わる」。TRIの最高経営責任者(CEO)に就任するギル・プラット氏は6日の記者会見でこう述べた。
AIは物事を学習し、考える能力を持たせたコンピューターやプログラム。自動運転の「認知」「判断」「操作」や生産効率化、インフラ管理、投資判断などさまざまな分野での活用が期待されている。
日本政府も成長戦略で、労働力人口の減少への対策としてAI導入を提言。自動車メーカーのほか、米IBMなどのIT企業や、電機業界が開発を加速している。そのためトヨタは、TRIの拠点として米シリコンバレーを選び、IT関連の人材募集などに生かす。自動運転やロボットに加え、AIによる車両手配や交通管理、生産システムの研究・開発にも取り組む方針だ。
豊田章男社長は「クルマやモビリティ(移動手段)の枠を超えて暮らしを豊かにし、社会に貢献することを期待する」と語る。
トヨタは、主要事業を織機から自動車に変更し成長してきた歴史がある。豊田社長はトヨタの歴史に言及し、「AIは自動車以外の産業基盤にもなる」と強調した。
トヨタが次世代の主力とみられる新たな産業でも強みを発揮できるか。TRIが自動車参入以来の転換点になる可能性もある。