松井相談役は「印刷を通じて、日本の印刷文化発展のために、社会貢献しなければならないと思ってやっています。印刷物というのは、心(ハート)を込めて、かつ、しっかりした技術で製作すると、芸術品にまで価値を高めることができるものだと思います。それがまた印刷技術者としての仕事のやりがい、誇りでもあるのです。日本と海外の文化の普及に役立つことで、お声が掛かればどこへでも飛んで行っています」と、力を込める。
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≪写真集『薔薇刑』 極限まで忠実に再現≫
■三島由紀夫生誕90年・没後45年 『薔薇刑』最新版 11月25日に発売
サンエムカラーが現在手がけている作品の一つが、三島由紀夫生誕90年・没後45年記念プロジェクトとして企画された写真家、細江英公氏の写真集『薔薇刑』の最新版だ。これは三島由紀夫自身が被写体で、1963年に刊行された初版以来、いまなお国内だけでなく海外でも高く評価されている。この写真集に「未発表写真5枚」を追加収録し、21世紀バージョンとして装丁・アートディレクションを一新した。
今回初めてサンエムカラーで印刷し製作される最新版は、細江氏のオリジナル写真を極限まで忠実に再現するために、松井相談役自身が印刷用データを作成するための色分解から全てを手掛けた力作だ。この技法に、グラビア印刷とオフセット印刷の融合ということから、新しく「グラセット・エフエム」と名づけている。