大会で使われたドローンの中には時速100キロメートルで飛行するものもある。猛スピードで林の中を飛び回るときは一瞬のタイムラグがミスにつながる。そのため競技では、ほとんどリアルタイムの映像を見られるアマチュア無線が使われていた。参加者全員が「第四級アマチュア無線技士相当の資格と5.6GHzの無線局免許」を持っているから実現できる大会だ。
それでも狭いところで道幅が約2メートルしかない林間コースを飛ぶレースは過酷だった。予選を勝ち抜いた18機のうち12機が木に激突するなどしてリタイア。もう1機リタイアしていれば決勝戦と順位決定戦に支障が出る事態になっていたはずだ。
主催団体代表の駒形政樹氏は「海外のレースでは100機のうち4機しか完走できなかった例もある」とドローンレースの厳しさを語る。あえて難しいことにチャレンジするのはドローンレースのスポーツ化と操縦者の育成を促したい考えがあるからだ。
「ドローンを使って新しい可能性を広げていきたい。様々なことに応用できるという考えが広まり、優れたパイロットが育てば産業分野でのイノベーションが起きやすくなるだろう」(駒形氏)