東芝は12日、子会社の米原発事業大手ウェスチングハウス(WH)が、平成25年3月期と26年3月期の2年間で、資産の価値を切り下げる減損損失を計1600億円計上していたことを明らかにした。WHの単体決算は両期とも、赤字だったという。東芝はこれまで、原発事業について詳しい業績を開示してこなかった。これまでの利益水増し問題とは異なるものの、情報開示の姿勢を問われそうだ。
減損損失は25年3月期に約9億ドル(約1100億円)、26年3月期に約4億ドル(約500億円)。東芝は18年にWHを買収したが、その後、福島第1原発事故が起き、原発の新規建設工事が不調となったことが要因とみられる。
東芝は「買収後の平均をみても利益を出しており、問題ない」としているが、今後はより詳しい説明が求められる。