「走りはいいけど燃費が…」イメージ覆す国産ターボエンジン 欧州に対抗 (2/3ページ)

2015.11.23 08:00

富士重工業の「レヴォーグ」。低燃費と走行性能を両立した

富士重工業の「レヴォーグ」。低燃費と走行性能を両立した【拡大】

  • 「レヴォーグ」に搭載のDIT
  • TGVの断面。右上のバルブで空気の流れを調節する

 同社はこれまでも1.6リットルのエンジンを「インプレッサ」などに搭載していたが、自然吸気エンジンとは異なる直噴ターボエンジンを造るために、大部分を“専用設計”とした。同社が持つ技術の全てを注ぎ込み、積み重ねていくことで、扱い易さ・軽快な走りと低燃費を両立させることができたという。

 その一つが、エンジンのピストンの中で空気の理想的な流れを作るバルブ「TGV」の性能進化だ。エンジンの低回転・低負荷時にバルブを閉めることで、空気の通り道を絞り、流れる速度を速めた。これによって、最適な燃焼が可能になった。

 次に、燃焼室への燃料噴射を2段階に分けることで、燃焼室内の温度を低減。この結果、出力低下や機関損傷につながる恐れがあるノッキング(異常燃焼)を抑制、効率的な燃焼とクリーンな排ガスを実現した。

 また、燃費悪化につながるエンジンのフリクション(摩擦抵抗)の低減にも取り組んだ。吸気バルブや、バルブを開閉させるカムシャフトに鏡面仕上げをほどこすことで、抵抗を減らした。

これまでダウンサイジング技術では欧州メーカーが先行していたが…

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