同社はこれまでも1.6リットルのエンジンを「インプレッサ」などに搭載していたが、自然吸気エンジンとは異なる直噴ターボエンジンを造るために、大部分を“専用設計”とした。同社が持つ技術の全てを注ぎ込み、積み重ねていくことで、扱い易さ・軽快な走りと低燃費を両立させることができたという。
その一つが、エンジンのピストンの中で空気の理想的な流れを作るバルブ「TGV」の性能進化だ。エンジンの低回転・低負荷時にバルブを閉めることで、空気の通り道を絞り、流れる速度を速めた。これによって、最適な燃焼が可能になった。
次に、燃焼室への燃料噴射を2段階に分けることで、燃焼室内の温度を低減。この結果、出力低下や機関損傷につながる恐れがあるノッキング(異常燃焼)を抑制、効率的な燃焼とクリーンな排ガスを実現した。
また、燃費悪化につながるエンジンのフリクション(摩擦抵抗)の低減にも取り組んだ。吸気バルブや、バルブを開閉させるカムシャフトに鏡面仕上げをほどこすことで、抵抗を減らした。