日本郵政グループは、全国2万4000の郵便局ネットワークを「最大の資産」(西室泰三日本郵政社長)ととらえ、このネットワークを生かした新規業務や提携事業の拡大に期待を寄せる。実際、金融機関やコンビニエンスストアも及ばない店舗網で販売するがん保険や新学資保険は、好調な売れ行きで、競合にとり脅威にもなっている。
郵便局ネットワークはいわば、日本郵政グループの浮沈を左右する神経網といえる。郵便や金融のユニバーサル(全国一律)サービスの出先機関であるとともに新たな収益確保に欠かせない武器でもあるが、それは末端まで神経が行き届いていればこそだ。その神経網の先端が思った以上に劣化しているとしたら、本社が知らないうちにその病魔が郵便局ネットワークをむしばむ可能性もある。
マイナンバーの通知カード配達であぶり出された郵便局ネットワークの弱点をどう克服するかは、株式上場後の日本郵政グループにとって最大の課題の一つとなりそうだ。西室社長が「郵便局ネットワークは維持する」と強調するように、ユニバーサルサービス義務の点からも、赤字だからといって郵便局は簡単に閉鎖できない。
民間金融機関が早々に撤退した過疎地で営々と窓口を開き続ける郵便局は地域住民に欠かせない存在だが、運営コストが大きな経営の重しになっていることも事実。しかし、裏を返せば、全国一律のサービス提供が維持できれば、郵便局ネットワークの機能再編の余地もありそうだ。