手元資金の目減り
シャープが不要不急の支出の凍結に躍起になるのは当面の手元資金の確保が課題になっているからだ。銀行からの借り入れや公募増資で度重なる経営危機を乗り切ってきたが、ここにきて営業赤字の積み重ねが手元資金を目減りさせている。
本社や隣接ビル、工場の遊休地などの資産の売却を急いでいるが、不動産に設定されている抵当権を抹消するため銀行などに借金を返済する必要がある。このため資産売却で入った資金はシャープに残らないことになっている。
それどころか売却した本社は、移転先が見つかるまでは賃料を払って入居するためシャープの資金繰りは苦しくなってくる。
主力の液晶事業も売却や資本受け入れに向け複数社と交渉している。不振の液晶事業がいくれで売れるかは、売却先の出資比率などにもよるが、借金をどれくらい差し引くかなど交渉次第で、どれくらいの現金が入ってくるかは不透明だ。