安全保障上の懸念や、使用料の設定などで国益に反する事業戦略をとられる可能性があることが問題視された。一方で、対日投資を規制すれば日本経済の活力をそぐとの指摘も出て議論はまとまらなかった。
ただ、関空の運営権売却にあたっては1兆円を超える負債返済を優先。空港を運営する新会社への出資比率について国内企業群の合計を超えないことを条件に外資が筆頭となることを認めた。
オリックス連合が設立する特定目的会社「関西エアポート」の資本金は800億円。このうちバンシはオリックスと同額の40%を出資。残りの20%をパナソニックやダイキン工業など関西企業を中心にした30社が少数株主として負担する枠組みにした。社長にはオリックス出身者を充てる方針だ。
日本では空港運営のノウハウを持つ事業者が少ないことから海外企業の運営で再出発する関空。アジアだけでなく、欧米にも路線を広げる真の国際空港として発展させることができるのか、バンシの舵取りに注目が集まっている。