東京都葛西水再生センターで稼働する月島機械の過給式流動燃焼システム【拡大】
下水汚泥を加圧(約1.3気圧)燃焼することで排ガスの容積が小さくなり、焼却炉本体をコンパクトにできるとともに設備の設置スペースも縮小できる。放熱量も減少し、補助燃料使用量が10%以上減らせる。燃焼用空気は下水汚泥が搬入されていれば焼却炉の稼働に必要な圧縮空気として供給され続ける。
◆一酸化二窒素の分解促進
また、温室効果ガスの削減にも効果的だ。従来システムは、下水汚泥に含まれる窒素が焼却時に温室効果の高い一酸化二窒素(N2O)として排出されていたが、過給式では加圧燃焼によって焼却炉下部で高温領域が形成されN2Oの分解を促進、発生量を約60%抑えられる。
消費電力やN2Oの削減、燃費改善効果により、焼却炉設備全体で温室効果ガス排出量を40%以上低減できる。運転圧力を調整して燃焼用空気の体積を変化させることで、低負荷運転時にも燃費悪化を抑制した運転も可能だ。
国内の下水汚泥処理焼却炉の主流は流動床方式で、全国で稼働している焼却炉の約8割を占める。上向きに流す空気によって浮遊状態にした砂を高温にして、その中に下水汚泥などの固体燃料を供給して燃焼する。砂は大きな熱容量と表面積をもっているため伝熱速度が速く、水分を多く含むものでも短時間で完全に焼却できるという特性をもつ。