伊藤忠商事の岡藤正広社長(寺河内美奈撮影)【拡大】
--平成27年度は最終利益予想で業界首位となりそうだ
「1位は夢だった。今期は2強の一角が目標だった。まだ(業績見通しが)暫定1位の段階で浮かれていてはいけない。『非資源事業でナンバーワン』を掲げ、パルプなど住生活・情報部門や機械部門が大きく利益貢献するなど、資産入れ替えも奏功した。財閥商社が資源安で苦境のうちに2強の地位を固めたい」
--米シェールオイル事業を売却したが、資源事業での戦略は
「電力会社や鉄鋼メーカーなど、資源を長期に大口購入する取引先を持つ財閥系商社に立ち向かっても勝てない。資源事業は強みを持つ石炭と鉄鉱石に絞る。石油価格は1バレル=40~50ドルの水準が10年ぐらいは続くだろう」
--タイ財閥のチャロン・ポカパン(CP)グループと共同で中国中信集団(CITIC)へ出資したが、具体的な連携策は
「インフラや資源開発など、質の違う情報が入ってくるのを実感している。食肉需要は世界で増えており、CPからインドやロシアの養鶏所運営への参画を打診されている。単独進出は難しい国だが、CPの持つ新興国のビジネスモデルで、突破口が開く可能性がある。ミャンマーでもCPや米ドールと共同で、農園事業への参画を検討中だ。ただ、中国は経済状況が厳しいので、今後の大型案件への投資は慎重にしたい」
--商社がビジネスで国に貢献できる分野は何か
「強みの生活消費関連だ。『爆買い』ではないが、中国人に日本のいい商品やサービスを紹介し、日本企業にもうけてもらいたい。例えば中国人は、アパレル製品であれば紫や赤の色合いが好みだ。長年の蓄積を生かし、中国人の嗜好(しこう)にあった商品企画をメーカーに提案したい」
(上原すみ子)
【プロフィル】おかふじ・まさひろ 東大経卒。昭和49年伊藤忠商事。常務、専務、副社長を経て、平成22年から社長。66歳。大阪府出身。