シャープの亀山工場=三重県亀山市【拡大】
一方で、台湾・鴻海精密工業とも交渉している。関係者によると、鴻海は現在の事業価値に50%を上乗せして最大2500億円の出資を提案しているという。
最終的には、シャープは主力取引銀行の思惑も踏まえて判断するとみられる。
生産設備の選別も
JDIが、シャープの液晶事業の買収に動くのは技術力を必要としているからだ。そもそも液晶は、シャープが電卓の表示装置として世界で初めて実用化した技術で、その後もカラー化や高画質化などでリードしてきた。
JDIは、ソニーや日立製作所、東芝の3社が液晶事業を統合して設立。タッチセンサーをパネル内に組み込んだインセル型の技術を駆使して、シャープの得意先だった中国のスマートフォンメーカーを切り崩したJDIだが、高精細・低消費電力が特長のシャープの独自液晶「IGZO(イグゾー)」技術などを高く評価しており、シャープの先端技術を担う亀山工場(三重県亀山市)の技術者や生産設備を中心に取得を目指すとみられる。