財務の健全性を示す自己資本比率について、15年9月末時点で各社を比較すると、JXHD25.7%▽出光21.4%▽東燃ゼネラル20.4%▽昭和シェル24.1%-と軒並み20%を超える。これに対しコスモHDは10.8%。他の大手と比べ1社だけ大きく見劣りし、危険水域とされる1桁台の一歩手前だ。
経営統合を決めた4社の首脳は相手先を選んだ理由について、異口同音に「生産や物流などで統合効果を最も発揮できる」などと説明する。だが、コスモHDに関しては、財務体質が大きな障害になった。
実際、JXグループの首脳は「東燃ゼネラルは財務体質がしっかりしている」と、財務体質が統合相手を選ぶポイントの一つだったことを認める。
出光の首脳も「財務体質が厳しい同士がくっついても意味がない」と、名指しこそしないものの、財務体質の悪いコスモHDが当初から合併相手の候補でなかったことを示唆する。
コスモHDの財務体質が悪化したのは、11年の東日本大震災の際に、千葉製油所(市原市)が長期間稼働を停止し、有利子負債が大きく膨らんだからだ。