約8300枚の太陽光パネルが敷き詰められた藤沢町発電所=岩手県一関市【拡大】
また再生可能エネルギーの分野で技術開発に取り組む企業への投資の経験から、技術や事業性について的確な判断ができる人材を社内に抱えていたこともメガソーラー事業への参入を後押しした。
メガソーラーの建設にあたっては、土砂災害への懸念や景観上の理由から建設予定地で反対運動が起きることもあり、事業リスクのひとつとされている。JAICは地域との関係が深い開発会社と共同開発に取り組むほか、同社自身もベンチャー企業への投資ファンド(基金)を立ち上げる際に、地方自治体や地域金融機関と共同で取り組んだ経験が豊富で、事業候補地に関する情報収集や地権者との調整なども円滑に進めている。
メガソーラー事業の事業リスクとして資金調達の難しさがある。一般的に1メガワット当たり3億円程度の資金が必要とされる。このため、メガソーラー事業に参入する事業者の中には、土地を確保しても資金調達に失敗し、事業計画が頓挫するケースも多いという。
また金融機関による設備資金の融資も原則として1年が基本。メガソーラー事業の収益を借り手の信用リスクから切り離して、事業の収益を返済原資とする超長期の事業融資のノウハウに乏しい借り手や金融機関にとってはハードルが高い。
JAICは開発案件ごとに特別目的会社(SPC)を設け、SPCが事業に必要な許認可や契約を行う。そのSPCに金融機関が融資するという事業のスキームを整えた。下村常務は「資金調達の失敗で塩漬けにされている土地でも、このスキームを使えばメガソーラー開発ができる道筋ができた」と話す。
下村常務は「将来的にはメガソーラーの普及に向け、個人投資家からの資金を呼び込めるようなファンドも考えていきたい」と、今後の展望を描く。(松村信仁)