【トップの素顔】今野由梨 ダイヤル・サービス社長(18) (2/3ページ)

2016.1.11 05:00

電話による秘書サービス業務を始めた頃

電話による秘書サービス業務を始めた頃【拡大】

 手始めにアメリカや欧州でヒントをつかんだ電話による秘書サービス業務から始めました。個人秘書として外から連絡を受け、機敏に的確に会員に伝えます。急用はポケットベルで呼んで、それを受けた会員は即、電話で情報を受け取る仕組みです。電話サービスは日本初。月会費は3000円、年中無休24時間サービスです。

 社名は電話サービスでは味気ないから「ダイヤル・サービス」。ダイヤルはヒューマンコミュニケーションの原点と位置付け、創業の理念には「生活者が発信する双方向ニュー・メディア」をうたいました。それまでテレビもラジオも新聞雑誌も、すべて情報は一方通行のみ。双方向メディアは存在しませんでした。ただ、見えない情報をビジネスにするので、世間には分かってもらえず、情報にお金を払うことにはなかなか理解が得られませんでした。

 同じ笹塚コーポラスの住民、放送作家の佐々木守さんが会員1号になってくれたものの、会員は見つかりません。みんなで話し合って、ガリ版刷りのパンフレットを作り、友人が廃車にするというフォルクスワーゲンのビートルを頂いて、甲州街道をぶっ飛ばして、パンフレットをビルやマンションに配りに走り回りました。銀座4丁目交差点の角に立って、ビラ配りもしました。スタッフは若い女優の卵ばかりで目を引いたのに、電話は鳴らない日々が続きました。かかってくる電話はセクハラまがいのものばかり。大切な日々、こんな心ない仕打ちにも絶対にモチベーションを下げないようにがんばろうと励まし合いました。

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