森会長は「うれしい誤算だ。32年を待たずして達成しそうで、上方修正しなければならないのだが…」と話す。
国土交通省は27年の日本全体のインバウンドが推計1974万人に達し、消費額は3兆4771億円で、人数と消費額ともに過去最高だったと発表した。関西でも大阪がとりわけ多く外国人客が訪れており、こちらは大阪観光局の推計だが、27年1~9月に大阪を訪れたインバウンは約525万人だった。
大阪観光局によると、大阪が人気の理由は、買い物と食事ができる場所がコンパクトに近接しており、大阪に泊まれば京都、神戸、奈良に短時間で訪れることができる便利さだ。関西国際空港に格安航空会社(LCC)の国際航路が多く就航していることも背景にある。
ただ、こうしたインバウンドの急増が宿泊施設が不足する事態を招いている。観光庁の宿泊旅行統計調査によると、大阪府内の宿泊施設の客室稼働率は、昨年3~10月に83・4~90・4%と高い水準で推移している。都道府県別で8カ月連続1位と、2位の東京と競う形となっている。一般的には稼働率は80%を超えると予約が取りにくくなるといわれる。