トヨタの労働組合はベアに相当する賃金改善分として、月額3千円を要求する方針を固めた。27年の要求額の半分で、回答額の4千円を下回る抑制的な水準だ。昨年のような物価上昇がみられないことや、取引先の中小企業との賃金格差拡大が背景にある。
日産自動車やホンダなど他の自動車大手の労組も月3千円のベア要求で足並みをそろえる見通しだ。
仮に28年春闘でトヨタが組合の要求通り3千円のベアで満額回答を行った場合、定期昇給(27年は7300円)と合わせて賃上げは1万円程度にとどまる。平均月給35万770円(27年)の2・9%で、政府の求める「3%程度」からは、かろうじて“及第点”というレベルだ。
トヨタは28年3月期も最高益の更新を視野に入れる。豊田章男社長は組合側との交渉について「毎年毎年きちんと労使が話し合うことが大事だ」と話す。
ただベアは固定費の増加につながり、コスト競争力が低下するほか、中国経済の減速など業績の下ぶれリスクも浮上している。経営側は一時金も含め、難しい判断を迫られそうだ。