「経労委報告」を発表する、経団連の工藤泰三副会長=19日、東京都千代田区【拡大】
経団連は19日、2016年春闘の経営側の指針となる「経営労働政策特別委員会(経労委)報告」を公表し、収益が拡大した企業は「15年を上回る年収ベースでの賃金引き上げについて前向きに踏み込んだ検討が望まれる」と、3年連続の賃上げを要請した。同日会見した経団連の経労委委員長の工藤泰三副会長は「人口減少下での経済好循環を目指すことを重視し、社会的要請を受け、賃上げを要請する」と説明した。
昨年の経労委報告では、賃金体系全体を底上げするベースアップ(ベア)についても「賃上げの選択肢の一つ」と前向きにとらえていた。それが今回は「月例賃金の一律的な水準引き上げ(全般的なベア)に限られず、さまざまな選択肢が考えられる」とやや後退。賞与や各種手当の増額、子育て世代への重点配分など、多様な形態での取り組みを盛り込み、“年収ベースでの賃上げ”という新たな表現を持ち出した。
同時に、力強い経済の実現に向けた名目国内総生産(GDP)3%成長への道筋も視野におきながら、各社の収益に見合った積極的な対応が求めらるとし、賃上げに加え、設備投資や研究開発投資、雇用の拡大なども求めている。