顧客企業に指定された部品を組み立てるだけではなく、商品の設計を主導して最終製品を生産すれば、利益率は向上する。シャープは液晶テレビや白物家電など幅広い商品を手掛けており、鴻海には魅力的な買収対象といえる。
郭会長にはシャープの立て直しに対し実績に裏打ちされた確信がある。
平成24年、大量の在庫と低稼働率にあえいでいたシャープの大型液晶パネル工場(堺市)株の38%を買い取り共同運営で25、26年度に2年連続で黒字にした。経営危機の元凶とされる堺工場製のパネルを鴻海が開拓した販路で売りさばいて復活に導いた。
昨年末、郭会長は堺工場の忘年会に参加し、台湾メディアの取材に「2年もらえれば(シャープの)赤字を解消し、3年目からは黒字化できる」と豪語した。
シャープにとってもチャンスだ。鴻海傘下になれば資金難でできなかった液晶事業の大規模な投資で競争力を回復できるチャンスになる。液晶のみならず、白物家電や複合機など各分野で15兆円企業の鴻海の資金力で競争力を強化できる。