だが、欧米経済の減速懸念も急浮上し、むしろ安全資産とされる円を買う動きが加速。新政策の導入決定直後には1ドル=121円台後半まで円安ドル高が進んだが、2週間ほどで一気に円高が進み、一時110円台をつけた。
16日の東京株式市場で日経平均株価は続伸したものの、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」を支えてきた日銀の金融政策が市場に翻弄される構図の強まりは否めない。
一方、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は15日の欧州議会で「ためらわずに行動する」と3月の追加緩和を強く示唆した。ユーロ高を助長する日銀の新政策に対抗し、マイナス金利幅を広げる可能性がある。
また、米連邦準備制度理事会(FRB)も利上げペースの減速だけでなく、「マイナス金利導入を視野に入れ始めた」との観測もくすぶる。そうなれば、世界で通貨安競争を招き、市場はさらに動揺する可能性もある。