◆アスリートも評価
梶原社長には双子の息子と娘がいる。運動靴を買うと、すぐにかかとをつぶして履いてしまう。「脱ぎ履きが面倒だったんでしょう。かかとを踏まないように注意をすると、ひもを柔らかく結ぶようになった。これだと足に負担がかかってしまう」そこで思いついたのが「結ぶ必要のない」靴ひもだった。
中華圏の人脈を再び生かして、繊維メーカーと知り合う。ゴム製で伸縮性のあるひもにこぶをつけることで、靴ひもを通す穴にひっかかって止まる仕組みを考案。足の指先近くなど好きなところでこぶをずらすことによって、微調整ができる。当初は子供用を意識していたが、2年間のやりとりを経て、トップアスリートに評価されるひもが誕生した。
「キャタピラン」と名付けられたこのひもを履いたマラソン選手からは「足袋のように密着している」「ふくらはぎへの負担がすごく軽い」などの評価を得て、大手シューズショップなど国内各所で販売されている。
カラフルなバリエーションはアパレルブランドの衣類などとのコラボレーションも生んでいる。「夢は大きい。いずれ年間1000万本を売り上げて、世界のひものスタンダードにしたい」(梶原社長)。中華圏のみならず、欧州や米国にも足しげく通って展示会などに出品する日々が始まっている。(山本浩輔)
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【会社概要】ツインズ
▽本社=千葉県船橋市金杉7-1-9
▽設立=1999年4月
▽資本金=1000万円
▽従業員=約30人
▽売上高=約15億円(2015年3月期)
▽事業内容=キッチン用品・電気用品・DIY・雑貨の輸入販売など
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