マイナス金利の影響を危惧する生命保険協会の筒井義信会長=19日午後、東京都中央区(飯田耕司撮影)【拡大】
5年前に2%台だった20年国債の金利は現在、0.7%台まで低下している。主要生保各社は、保険契約者に約束した運用利回りを得られない「逆ざや」をようやく解消したばかりだが、体力の弱い中堅生保を中心に、再び厳しい経営状況を迎える懸念が高まっている。
各社は利回りの高い外債や環境関連事業、インフラ事業など成長分野に資金を投じ、運用の多角化を急いでいる。ただ、ドルの調達コストが上昇するなど外債の魅力も薄れてきた。優良な投資先をいち早く見つける運用力が試されそうだ。
マイナス金利の影響で、富国生命保険や第一生命保険傘下の第一フロンティア生命保険などが貯蓄性の高い一時払い商品の販売の一部停止を決めた。筒井会長は「(運用リスクの取り方を変えるなど)価値観を変えないといけない」と危惧する。(飯田耕司)